警備業の現状2026|業者数・警備員数・高齢化を最新データで解説

令和7年の警備業の概況を数字で読み解く図版 警備業の安全とリスクマネジメント | 数字で見る警備業2026
SUMMARY | 記事のまとめ
  • 令和7年末の警備業者数は10,949業者(前年比+1.3%)で5年間増加が続き、警備員数は59万6,985人。業界売上高は約3兆5,056億円と、警備業は成長を続けています。
  • 一方で、警備員数100人未満の業者が90.3%、営業所1か所のみの業者が84.2%。業界は圧倒的に「小さな会社」で支えられています。
  • 警備員の47.3%が60歳以上で、最多の年齢層は70歳以上(21.6%)。在職1年未満が18.3%を占め、高齢化と定着が業界共通の経営課題です。本記事では、これらの数字から導ける3つの経営判断まで踏み込みます。

自社の立ち位置を考えるとき、業界全体の姿を数字で押さえておくことは、経営判断の土台になります。警察庁から「令和7年における警備業の概況」が公表されました。警備業のいまを、3つの視点──「成長」「小規模」「高齢化」──で読み解きます。

このコラムの根拠データ 警察庁「令和7年における警備業の概況」(令和7年12月末現在)にもとづきます。売上高は一般社団法人全国警備業協会の調査(回答5,210業者)によるものです。

視点1 ── 警備業は、成長している

まず全体の規模から。令和7年12月末の警備業者数(警備業法第4条にもとづく認定業者)は10,949業者で、前年より138業者(1.3%)増えました。令和3年の10,359業者から5年間、一貫して増加しています。

10,949
警備業者数
(この5年 一貫して増加)
59.7万人
警備員数
(前年比+1.5%)
3.5兆円
業界売上高
(協会調査)

警備員数も59万6,985人と前年から9,137人増え、回答5,210業者の売上高総額は約3兆5,056億円。機械警備の対象施設数も352万5,422箇所と前年より2.9%増えており、警備業は着実に成長を続けている業界だといえます。業務別では、交通誘導警備を行う業者が8,241業者と全体の75.3%を占め、警備業の中心的な業務であることがあらためて確認できます。

この数字から導く経営判断 ── 成長市場で「選ばれる側」に回る

市場が伸びることと、自社の受注が増えることは別の話です。業者数もこの5年で590社増えており、パイと同時に競合も増えています。ここで分かれ目になるのは、価格ではなく「安全管理の体制」で選ばれる準備があるか。発注者側では近年、下請・協力会社の安全体制を選定の判断材料にする動きが広がっています。自社の安全の取り組みを、口頭ではなく記録として見せられる形にしているか──成長の取り分を得る会社と逃す会社は、ここで分かれていくと私たちは考えています。

視点2 ── その成長を、「小さな会社」が支えている

次に、業界の構造です。ここに警備業の最大の特徴があります。

90.3%
警備員100人未満の
業者の割合
56.8%
警備員19人以下の
業者の割合
84.2%
営業所が1か所のみの
業者の割合

警備員数100人未満の業者が9,885業者で全体の90.3%。19人以下に絞っても56.8%、5人以下だけで26.6%(2,912業者)を占めます。営業所を1か所しか設けていない業者は9,219業者・84.2%。つまり、3.5兆円の業界を支えているのは、その圧倒的多数が地域に根ざした中小・小規模の警備会社です。

この数字から導く経営判断 ── 「90.3%側」の戦い方を選ぶ

大きな会社を前提にした安全管理──専任の安全担当者、潤沢な教育予算──を薄めて真似るのは、90.3%の会社にとって現実的ではありません。分かれ目は、小さいことを言い訳にするか、設計条件にするかです。

  • 専任担当を置けないなら、朝礼の危険予知(KY)を個人の意識ではなく「毎朝の仕組み」にして、属人性を消す。
  • 教育予算が限られるなら、公的データや無料ツールを教材・点検に組み込み、コストをかけずに水準を保つ。
  • 営業所が1か所(84.2%)であることは、裏返せば地域の現場を熟知し、判断が速いという武器。地域密着と機動力は、9割の会社が持てる強みです。

視点3 ── 担い手の高齢化と、定着という課題

そして、人の構成です。

47.3%
警備員のうち
60歳以上
21.6%
最多年齢層は
70歳以上
18.3%
在職
1年未満

警備員59万6,985人のうち、60歳以上は28万2,509人で47.3%。年齢層別に最も多いのは70歳以上の21.6%で、30歳未満は10.9%にとどまります。警備の現場が、経験豊かな高年齢の担い手に支えられていることが、業界全体の数字からもはっきり読み取れます。

なお、当サイトで別途紹介している厚生労働省の労働災害統計では、警備業の被災者の57.0%を60歳以上が占めています。担い手の47.3%が60歳以上であることを踏まえても、高年齢層は災害にあう割合が相対的に高く、転倒・熱中症など加齢の影響を受けやすい災害への配慮が欠かせません。詳しくは高齢化と安全 ── データで見る、警備業を支える高年齢の担い手で整理しています。

もうひとつの課題が定着です。在職1年未満の警備員が18.3%、3年未満まで含めると約4割にのぼります。採用しても定着しない構造は、教育コストと現場の安全水準の両方に効いてきます。

この数字から導く経営判断 ── 安全投資を「採用コスト」と比べる

隊員が1人辞めるたびに、募集費・教育にかけた時間・現場の穴埋めのコストが消えていきます。一方で、配置や休憩への配慮、熱中症対策、カスタマーハラスメントへの組織的な後ろ盾──「この会社は自分を守ってくれる」と感じられる職場は、定着に直結します。つまり安全対策は、単なる費用ではなく採用費と比べて測るべき「定着への投資」という見方ができます。60歳以上が47.3%を占める業界では、シニアが働き続けたいと思える会社が、結果として人の集まる会社になっていく──これが、この年齢構成から私たちが導く判断です。

まとめ ── 概況から導く、3つの経営判断
  • 安全を「見せられる資産」にする:成長市場で選ばれるのは、安全管理の記録を発注者に示せる会社。日々のKYと記録が、そのまま営業資産になる。
  • 小規模を設計条件にする:90.3%が100人未満。大手の真似ではなく、仕組み化・無料ツール・地域密着という「小さい会社の戦い方」を選ぶ。
  • 安全投資を定着投資として測る:1年未満離職18.3%の業界で、隊員を守る職場づくりは採用費より安い投資になりうる。

おわりに

成長する業界を、小さな会社と高年齢の担い手が支えている──令和7年の概況が示す警備業の姿です。数字は現状を教えてくれますが、そこからどんな手を打つかは、各社の判断に委ねられています。本記事で示した3つの判断は、あくまで私たちの見方です。ただ、どの道を選ぶにせよ、出発点は共通しています。リスクを知り、現場の工夫で減らし、記録を残す──この日々の実践を、公的データにもとづく情報と無料ツールで支えるのが私たちの役割です。自社ならどう判断するか。その整理の壁打ち相手が必要なときは、お気軽にご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 警備業者数・警備員数はいまどのくらいですか。

令和7年12月末現在、警備業者数は10,949業者(前年比+1.3%・この5年一貫して増加)、警備員数は59万6,985人です(警察庁「令和7年における警備業の概況」)。

Q2. 警備業はどのくらい高齢化していますか。

警備員の47.3%が60歳以上で、年齢層別に最も多いのは70歳以上(21.6%)です。30歳未満は10.9%にとどまります。

Q3. 警備業は中小企業が多いのですか。

はい。警備員数100人未満の業者が90.3%、19人以下の業者が56.8%、営業所1か所のみの業者が84.2%を占め、業界の圧倒的多数は中小・小規模の会社です。

Q4. 小さな警備会社でも、安全管理はできますか。

できます。業界の90.3%は警備員100人未満の会社であり、専任担当や大きな予算を前提にしない方法──朝礼KYの仕組み化、記録の習慣化、公的データや無料ツールの活用──が現実的な打ち手になります。小規模であることは、地域密着と判断の速さという強みでもあります。

このページやツールについてのご相談はこちら

平日 9:00〜18:00。ご相談は無料です。

ABOUT THE AUTHOR | 執筆者
真下 恭徳(株式会社キール 代表取締役)

2017年三井住友海上火災保険入社、神奈川県央エリアの専属プロ代理店を担当。2021年AIG損害保険入社、横浜支店ICAとして中小企業のリスクコンサルティングに従事。2026年株式会社キールを設立。高度なリスクコンサルティングを通じて、皆様の安心とこれからの挑戦を支える最高峰のリスクマネジメントを提供している。

法人向けリスクマネジメント
  • 出典:警察庁「令和7年における警備業の概況」(令和7年12月末現在)。売上高は一般社団法人全国警備業協会の調査(回答5,210業者。各年の調査方法・調査対象数は異なる)。
  • 参考:厚生労働省「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」(被災者の年齢構成)