2027認定への逆算スケジュール──8月に始める会社が間に合う理由

2027認定への逆算スケジュール──8月に始める会社が間に合う理由|株式会社キール
シリーズ「中小企業の健康経営」 Vol.5 / 全5回(最終回)

2027認定への逆算スケジュール──8月に始める会社が間に合う理由

公開日:2026年8月7日 / 株式会社キール
この記事の結論
  • 健康経営優良法人2027の申請受付は、例年どおりなら2026年8月中旬〜10月中旬に開く見込みです(2026認定の実績:8月18日〜10月17日)。
  • 認定審査で使える実績は、指定期間の開始日から申請日までに実施した内容だけ。「これからやる予定」は数えられません。
  • 入口となる健康宣言は、保険者への照会に数週間かかることがあります。逆算すると、動き始めるのは今です。
  • 実績がまだ薄い会社は、2028認定を本命に据えて今から実績を積むのが最も確実な道筋です。どちらの場合も、始める時期は同じ「今」になります。

連載の最終回は、時間の話です。制度を知り(Vol.2)、使える支援を知り(Vol.3)、同業の動きを知った(Vol.4)。残る問いは一つです。「いつまでに、何を始めれば間に合うのか」

1. 申請の時間割──窓は年に一度、約2ヶ月しか開かない

健康経営優良法人の申請には、明確な時間割があります。2026認定の実績では、中小規模法人部門の申請受付は2025年8月18日から10月17日17時まで。締切の延長はなく、期日を過ぎた申請は一切受け付けられませんでした。認定の発表はその翌年3月頃です。2027認定も、例年どおりならほぼ同じ時間割──2026年8月中旬に受付開始、10月中旬に締切──になる見込みです。

つまり申請の窓は、年に一度、約2ヶ月しか開きません。ここを逃すと、次の機会は1年後になります。

2. 最大のルール──「実績は申請日まで」

スケジュールを考えるうえで、最も重要なルールがこれです。申請書に書けるのは、指定された期間の開始日から申請日までに、実際に実施した内容だけ。「11月に健診を受診予定」「年内にストレスチェックを実施予定」は、実績として認められません。

このルールが意味するのは、申請書を書く時点ではなく、その前の実施期間こそが勝負だということです。だから「要件が確定してから考えよう」「申請が始まってから準備しよう」では、間に合わない。逆算は、実施期間から始まります。

3. 逆算スケジュール──今からの道筋

2027認定に向けた逆算の目安(申請受付を2026年8月中旬〜10月中旬と想定した場合)。
時期やること
今すぐ(8月上旬)健康宣言への参加手続き。加入保険者(協会けんぽ等)へ連絡。照会・発行に数週間かかる場合があるため最優先。あわせて経営者の健診受診状況と、従業員の健診・ストレスチェックの実績を棚卸し
8月中健康づくり担当者の任命、推進計画の作成(数値目標・実施主体・達成期限)。受動喫煙のルール整備。ここまでは費用ではなく「決めごと」の領域
8〜9月選択項目の不足分に着手。こころの耳のeラーニング受講、受診勧奨の通知、相談窓口の設置など、申請日までに「実施済み」にできる施策を優先
9月〜10月上旬申請書の作成・アップロード。誓約事項には従業員代表の氏名の記載が必要(申請内容の共有が前提)。エラーメッセージを確認のうえ提出。締切までは何度でも再アップロード可
11月〜12月認定申請料(16,500円・税込)の請求書が届き、期日までに支払い。入金確認をもって審査
翌年3月頃認定発表。認定は1年間──取って終わりではなく、更新前提で運用と記録を続ける
間に合うかの分かれ目2027に間に合うかは、健診とストレスチェックの実績がすでにあるかでほぼ決まります。直近の年度で従業員の健診をきちんと実施している会社は、残りの多くが「決めごと」なので十分射程内。実績がまだ薄い会社が無理に駆け込むと、要件を満たせないまま申請料だけ払うことになりかねません。その場合は2028認定を本命に、今から1年かけて実績を積むのが確実です。

大切なのは、2027でも2028でも、今日やることは変わらないという点です。健康宣言に参加し、担当者を決め、健診を回し、使える公的支援を使い始める。違うのは申請書を書く年だけで、始める日はどちらも「今」です。

4. まず、自社の現在地を測る──無料セルフチェックツールを公開します

逆算の起点は、自社の現在地です。どの項目をすでに満たしていて、どこが足りないのか。それが分からなければ、スケジュールは絵に描いた餅になります。

そこで当社は、2026年8月17日に「健康経営優良法人 認定セルフチェック」を無料公開します。認定要件に沿って「している/していない」を選ぶだけで、充足状況がその場で分かり、不足している項目には活用できる公的支援制度を表示。結果はPDFで保存できます。Vol.4でご紹介した認定企業数の5年推移も、都道府県と業種を選ぶだけで確認できます。登録は不要です。公開日に、本連載の各記事からもご案内します。

POINT連載を通じて見てきたとおり──効果を示すデータはあり(Vol.1)、制度の骨格は変わらず(Vol.2)、使える公的支援は揃っていて(Vol.3)、同業はすでに動いている(Vol.4)。そして申請の窓は年に一度。条件はすべて出そろっています。あとは、始める日を決めるだけです。

5. むすびに──向かい風を、推進力へ

人手不足という向かい風は、当面やみそうにありません。ただ、ヨットが向かい風でも前に進めるのは、竜骨(キール)が船を支えているからです。健康経営は、人材という経営の土台を支える竜骨づくりに他なりません。風を嘆くのではなく、風を使う。この連載が、その最初の一歩の背中を押せたなら幸いです。

2027か、2028か──貴社の現在地から逆算します

健診・ストレスチェックの実績、健康宣言の状況、選択項目の充足度。キールは、貴社の現在地を確認したうえで、どの年の認定を狙い、いつ何を始めるかを一緒に設計します。

キールに相談する

よくある質問

今(8月)から始めて、2027認定に間に合いますか?

直近年度の健診をきちんと実施している会社なら、十分射程内です。健康宣言・担当者任命・推進計画などの「決めごと」を8月中に整え、申請日までに実施済みにできる施策を積み上げます。健診等の実績が薄い場合は、2028認定を本命にした方が確実です。

申請の締切に間に合わなかった場合はどうなりますか?

締切の延長はなく、次の申請機会は1年後になります。ただし積み上げた実績と体制は翌年の申請にそのまま使えるため、無駄にはなりません。

申請書の作成で注意すべき点はありますか?

誓約事項に、申請内容を共有した従業員代表の氏名の記載が必要です。また推進計画には認められない記載例が定められています。提出前にエラーメッセージを確認し、締切前の余裕を持ったアップロードをおすすめします。

認定を取った後は何をすればよいですか?

認定の有効期間は1年間で、継続には毎年の申請が必要です。認定の根拠となった取り組みを維持・向上させ、記録を残し続けることが更新の土台になります。取り組みを説明できる資料は申請期間最終日から2年間の保存が求められます。

真下 恭徳(ました やすのり)/株式会社キール 代表取締役
AIG損害保険 横浜ICAにて法人リスクコンサルティング(ISO31000)に従事。健康経営アドバイザー。「向かい風を、推進力へ。」を掲げ、神奈川県央の中小企業を、リスクの上流から支える。

出典:健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)認定申請書・申請要領(認定事務局)、経済産業省 第6回健康経営推進検討会資料(2026年7月14日)。2027の申請受付期間・要件は本記事作成時点で未公表のため、例年の実績に基づく見込みとして記載しています。確定情報は必ず公式の公表をご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的とするものです。