駐在の現地銀行・送金・税の基礎知識

海外駐在の現地銀行・送金・税の基礎知識|株式会社キール
SUMMARY

海外駐在では、現地での「お金まわり」の手続きが避けて通れません。給与の受け取り、生活費の管理、日本への送金、そして税金——国によって制度が大きく異なり、知らないと損をしたり、手続きに時間がかかったりします。本コラムでは、赴任前に押さえておきたい現地銀行口座・国際送金・税金(二重課税を含む)の基礎を、駐在を送り出す企業の視点から整理します。

駐在の「お金まわり」は赴任前準備で差がつく

POINT

口座開設・送金・税は、現地に着いてから慌てると時間がかかります。赴任前に全体像を押さえておくことが大切です。

海外駐在では、生活の基盤を現地に移すため、給与の受け取りや生活費の管理に現地の仕組みが必要になります。口座開設・国際送金・税金は、それぞれ国によってルールが異なり、後回しにすると赴任直後の生活に支障が出ることもあります。会社として全体像を整理し、駐在員をサポートする体制を整えておくことが、円滑な赴任につながります。

現地の銀行口座

POINT

給与受取や生活費管理のため、多くの駐在で現地の銀行口座が必要になります。

現地口座の開設には、在留資格や住所証明などの書類が求められることが多く、必要書類や手続きは国によって異なります。赴任直後は住居や在留手続きと重なって慌ただしくなるため、会社が開設をサポートしたり、必要書類を事前に案内したりすると、駐在員の負担を減らせます。

国際送金の基礎

POINT

日本と現地のあいだの送金には複数の手段があり、手数料・為替・着金日数が異なります。

送金手段 特徴
銀行送金 安心感がありますが、手数料や着金までの日数がかかることがあります
送金サービス 手数料やスピードの面で有利なことがあります
共通の注意点 レート・手数料・送金上限・各国の規制を、事前に確認することが大切です

税金と「二重課税」

POINT

駐在では、日本と現地の両方で課税関係が生じ得ます。租税条約や外国税額控除などの仕組みを理解しておくことが重要です。

税金の扱いは、滞在期間や「居住者・非居住者」の判定、各国との租税条約の内容によって変わります。両国で課税関係が生じることもありますが、外国税額控除などによって二重課税を調整する仕組みがあります。判断は複雑で個別性が高いため、税理士など専門家に相談しながら進めることが確実です(制度の詳細は国税庁などの公的情報で確認できます)。

会社としての備え

POINT

お金まわりは個人任せにせず、会社の規程・サポートで支えることが、駐在員の安心と定着につながります。

駐在規程に手当・送金・税務サポートの扱いを明文化しておくこと、税理士など専門家と連携できる体制を整えておくことが、駐在員の安心につながります。また、為替変動や生活コストの上昇といった金銭リスクのうち、自社で抱えにくい部分については、リスクの移転を含めた備え方を専門家とともに点検する選択肢もあります。

まとめ|お金の備えは「赴任前」と「専門家連携」で

駐在のお金まわりは、口座・送金・税という3つの基礎を、赴任前に整理しておくことが肝心です。制度は国ごとに異なり、税金の判断は専門性も高いため、会社の規程と専門家連携で支える体制を整えておくことが、駐在員の安心と定着につながります。

向かい風を、推進力へ。——慣れない海外のお金の仕組みという向かい風も、赴任前の準備と専門家の支えがあれば、駐在生活を前に進める推進力に変えられます。

✓ 駐在のお金まわり 最終チェックリスト
  • 現地口座開設の要否・必要書類を確認したか
  • 国際送金の手段・手数料・為替・日数を比較したか
  • 居住者/非居住者の判定と租税条約・外国税額控除を確認したか
  • 税務は税理士など専門家に相談する体制があるか
  • 駐在規程に手当・送金・税務サポートを明文化したか

よくあるご質問(FAQ)

Q. 駐在中、日本と現地のどちらで税金を払いますか?
滞在期間や居住者・非居住者の判定、租税条約の内容によって変わります。両国で課税関係が生じることもありますが、外国税額控除などで二重課税を調整する仕組みがあります。判断は複雑なため、税理士など専門家への相談が確実です。
Q. 現地の銀行口座は必ず必要ですか?
給与の受け取りや生活費の管理のため、多くの駐在で必要になります。開設には在留資格や住所証明などが求められることが多く、国によって条件が異なります。会社が口座開設をサポートすると、赴任直後の生活がスムーズになります。
Q. 日本への送金で気をつけることはありますか?
手段によって手数料・為替レート・着金までの日数が異なります。送金額の上限や規制がある国もあるため、事前に確認しておくと安心です。定期的な送金がある場合は、コストと手間の両面から手段を比較しておくと無駄を抑えられます。

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真下 恭徳(ました やすのり)
株式会社キール 代表取締役

三井住友海上・オリックス生命・AIG損保を経て、2026年に株式会社キールを創業。ISO31000基準のリスクコンサルティングを軸に、中小企業の「防げる損失」を未然に防ぐ体制づくりを支援。法人向けの損害保険・生命保険代理店として、神奈川県央エリアを中心に活動しています。