- 警察庁が10月1日に公開した2025年の交通事故データを当社で集計しました。2025年の神奈川県の人身事故は21,324件(前年比+2.8%)、24時間以内の死者は139人(前年比+30人)でした。
- 時間帯では朝8時台(1,782件)と夕方17時台(1,760件)が突出し、どちらも1時間あたり平均の約2倍。平日は通勤・業務の動き出しと帰りの時間に山ができます。
- 曜日では、1日あたりで金曜(67.7件)が最多、日曜(41.5件)が最少。月別では12月(2,136件)が最多で、10〜12月の3か月で年間の28.0%を占めます。
- 主役は、事故が集中する「時間・曜日・季節」に合わせて、運転の予定と声かけを変えること(リスクの低減)です。
神奈川の人身事故は「朝8時」「金曜」「12月」に多い──警察庁2025年データを独自に集計
社用車の事故を減らしたい。そう考えたとき、まず知っておきたいのは「いつ起きやすいか」です。危ない時間帯や曜日が分かれば、その時間の運転を減らす、出発前に一言かける、といった手が打てます。
警察庁は2026年10月1日、2025年の交通事故のデータを公開しました。当社の無料ツール「Keel Accident Map」と同じ警察庁のオープンデータです。今回は、その最新の2025年分から神奈川県の人身事故をすべて取り出し、時間帯・曜日・月で集計しました。
出典:警察庁「交通事故統計情報のオープンデータ」2025年・2024年(本票)をもとに当社集計。2025年の件数・死者数・負傷者数は、神奈川県警察「交通事故発生状況(令和7年)」の公表値と一致することを確認しています。死者数は事故発生から24時間以内の数です。
本コラムは、不安を煽るためのものではありません。「向かい風を、推進力へ」——危ない時間を知ることは、その時間を避けたり、備えたりするための手がかりです。
課題の深掘りと、見落としがちなリスクの可視化
- 人身事故 21,324件(前年 20,750件、+2.8%)、負傷者 24,463人
- 24時間以内の死者 139人(前年 109人、+30人)
- 最も多い時間帯は朝8時台、最も多い曜日は金曜、最も多い月は12月
※出典:警察庁「交通事故統計情報のオープンデータ」をもとに当社集計。神奈川県警察の令和7年の公表値と一致。
1日の中で最も多いのは朝8時台の1,782件、次いで夕方17時台の1,760件です。1時間あたりの平均(888件)と比べると、どちらも約2倍。朝7〜8時台の2時間で年間の15.3%、夕方16〜18時台の3時間で22.3%が起きています。平日に限ると、朝8時台(1,523件)と夕方17時台(1,342件)の山がさらにはっきりします。一方、土日祝日は昼過ぎから夕方にかけて多く、朝の山はありません。平日の朝夕の山は、通勤と業務の動き出し・帰りの時間と重なっています。
時間帯別の人身事故件数(神奈川県・2025年)
1時間あたりの平均は888件。朝8時台と夕方17時台は、その約2倍です。
横軸は発生時刻(時台)。濃い色は朝7〜8時台と夕方16〜18時台。出典:警察庁「交通事故統計情報のオープンデータ」2025年分をもとに当社集計。
曜日ごとに1日あたりの件数をみると、金曜が67.7件で最多、日曜が41.5件で最少でした。2024年も金曜が最多(62.5件)です。月別では12月が2,136件で最多で、10月(1,991件)、11月(1,840件)と合わせた10〜12月で年間の28.0%を占めます。2024年も12月が最多でした。週末前、年末前の「締めくくり」の時期に、事故が増える傾向がみえます。
曜日別・1日あたりの人身事故件数(神奈川県・2025年)
曜日ごとの件数を、その年のその曜日の日数で割った値です。
祝日も、その日の曜日に含めています。2024年も、1日あたりでは金曜(62.5件)が最多、日曜(42.6件)が最少でした。
月別の人身事故件数(神奈川県・2025年)
12月が最多の2,136件。10〜12月の3か月で、年間の28.0%を占めます。
横軸は月。2024年も12月(2,040件)が最多でした。
このデータには、事故が日の入りの前1時間・後1時間に起きたかどうかの区分があります。この日の入り前後の2時間だけで2,998件、全体の14.1%でした。1日24時間のうちの2時間(8.3%)と比べると、事故が集中していることが分かります。冬は日の入りが早く、夕方の業務時間と重なります。薄暮の時間帯の危なさは第13回でも取り上げました。
事故が起きる前に。今日から実践できる「リスク低減」の備え
キールが本質と考えるのは、事故が起きてからの対応ではなく、起こさせない備えです。ISO31000の「回避・低減・移転・保有」(避ける・減らす・移す・受け入れる)でいえば、中心は低減です。データから、社用車を持つ会社が今週から着手できる手順を挙げます。
1. 朝8時台・夕方17時台の運転を「減らせないか」考える
営業や配送の出発時刻を、朝8時台の山の前後にずらせないか。夕方の訪問を、17時台を避けて組めないか。すべては難しくても、山の時間帯に走る台数を減らすだけで、事故に遭う機会は減ります。
2. 金曜と月末・年末は、予定を詰め込みすぎない
金曜は週の締め、12月は年の締めで、予定が詰まりやすい時期です。急ぎや焦りは、事故の背景になりやすい要因です。金曜の午後と年末は、移動に余裕を持たせた予定を組むよう、管理者から声をかけましょう。
3. 夕暮れどきは「早めのライト」を合言葉に
日の入り前後の2時間は、歩行者や自転車が見えにくくなります。日の入りより前に前照灯をつける、夕方の出発前に一言かけるなど、冬に向けて日の入りが早まる今の時期に社内で共有しておきます。
4. 自社のルートの「どこで」をマップで確かめる
今回の集計は「いつ」の傾向です。「どこで」起きているかは、Keel Accident Mapで営業ルートや事業所の周辺を確かめられます。いつ・どこでの両方が分かると、出発前のひと言が具体的になります。
【無料・登録不要】営業ルートの事故の傾向を確認できる「交通事故データマップ」はこちら 住所・現在地・地図タップで中心を指定 / 警察庁オープンデータ(2019–2025)これは保険の勧誘ですか?
いいえ。本コラムは、公開されている統計をもとに、社用車の事故を未然に防ぐ(リスクの低減)ための情報提供です。特定の商品をおすすめしたり、加入を促したりするものではありません。
集計に使ったデータは何ですか?
警察庁が2026年10月1日に公開した「交通事故統計情報のオープンデータ」の2025年分(本票)から、都道府県が神奈川県の人身事故21,324件を当社で集計しました。件数・死者数・負傷者数は、神奈川県警察が公表している令和7年の確定値と一致することを確認しています。
社用車の事故だけを取り出すことはできますか?
このデータでは、白ナンバーの社用車と個人の自家用車を区別できません。区別できるのは、緑ナンバーなどの事業用の車です。2025年に神奈川県で事業用の車が第1当事者となった人身事故は2,335件(全体の11.0%)で、朝8〜9時台に最も多くなっていました。
運転の予定の組み方や、出発前の声かけのルールは、自社の業務実態に合わせて整えることで定着します。「うちの運用で抜けはないか」を一緒に整理したい経営者・安全運転管理者の方は、法人向けのご相談窓口からお気軽にお問い合わせください。
法人のお客様 お問い合わせ・ご相談はこちらISO31000を基準としたリスクコンサルティング / ご相談は無料です
